« ビックリしたよ、内山くん。 | トップページ | それでも、朝はやって来る。 »

2007.07.10

Nine Inch Nails / Year Zero

4月に購入してからエントリーの機会をうかがっていたんだけれど、延び延びになってましたな。

 Yearzero

Nine Inch Nails / Year Zero

「そろそろエントリーしないと、永久にこのままかな」という気がずっとしていたのは事実(苦笑)。ただ、ファンの責務としては何らかの形で言及しておいた方がイイのかな。

そんなワケで、やっと書き込みに至ったのであります。

---------------------------------------

まずはアルバムとは関係ないけれど、ミュージックマガジンの6月号に載っていた行川和彦のレビューを読んで思った事を。

"何か物事を考えているふりがお得意なおじょうちゃんおぼっちゃん向け"

…キミは何様なんだろうね(嘲笑)。

こういった「上から目線」というか、自分が音楽メディアにいて「君らとは違うんだよ」と一種の選民意識が匂うような文章をしたり顔で書いてしまうキミに呆れた。こんなんが横行しているから、音楽マスコミはバカだと言われるんだし、発展もしないんだよと。

ま、何とか売文業ができているから管理人より偉いんだけれど(苦笑)、こういう締め方は問題提起にもならんし、読者として気分の悪い文章を読むのは非常に辛い。

マガジンって昔からこんなアホな文章が多かったワケだけれど、それが解っていても辟易しちゃった。

---------------------------------------

ただ、管理人がネイルスの新譜を聴いた感想としては、行川某ほどではないにしても違和感を感じた事が多かった。

正直に書いてしまうと、With TeethThe fragileほど聞く回数が多くない。管理人の最近の嗜好が別の所にある事が多分にあるんだろうけれど、トレント・レズナーの長年のファンとしては食傷気味なアルバムに映ってしまう。特にアルバムが発売されて2週間ほど経って5月になった頃から、そんな傾向が自分にある。

Year Zeroという言葉の意味するモノは、たぶん「9.11以降のアメリカ」という国なんだろう。対訳を読んでも、あるいはアルバム以外のNINのプロジェクトなんかを見ても、彼らのアルバムにしては非常にプロパガンダ的なモノが前面に押し出されている事に気がつくだろう。

でもね、そのアメリカ批判が非常にステレオタイプなモノに映っていたりするんだけれど。本当にアメリカ批判を行っていくんだったら、市井の人の生活からの視点というのも重要なんだろうけれど、それがYear Zeroからは殆ど見受けられない。

それこそ「ブッシュの政策批判は多いけれど、所謂知識人層が唱えているモノとそうは変わらんのでは無かろうか」という感が強かったりする。

トレント・レズナー自体、麻薬渦とかどん底の精神状態に飲み込まれていて、前作までは自分を見つめている私小説風な作品を作ってきた人だ。その状態から立ち直ってポジティブな傾向が現れて、(想像だけれど)他のミュージシャンとの付き合いなどから影響を受けたりして、こういった外向的な、あるいは攻撃的と言っていいかもしれないけれど、そんなアルバムをひっさげてきた…その流れは非常に良く解る。アメリカ人にとっての「9.11」という出来事が、一人一人に非常に重くのし掛かっている事も理解できる。

が、それでも以前のアルバムと比べると深みを殆ど感じない。焦点がボヤけている印象が否めない。

例えば、以前に紹介したライ・クーダーのアルバムのような、ある一点に焦点を絞って主張する方法だってあるだろう。ライ・クーダーのアルバムは、彼の探求心から始まった事ではあるけれど、そこにアメリカの日の当たらない社会を上手く映し出したという事で傑作アルバムに数える事が出来るだろう。

それに照らして考えるに、トレントがより「私の内面」を前面に押し出す事によってアメリカ社会を映し出す事だって可能だったのではないだろうか。

90年代以降のアメリカのポップミュージックは、個々を見つめていくという部分で深化している佳作が多かった。それを作っていた連中が「9.11という大事件が起こった事により、そんな事を言ってられなくなっちゃった」ってのは解るんだけれど、一気に変節していくのはいかがなモノかと。

じゃぁ、今までのあんた方は何なの?

今まで綴ったモノを横に置いて、どうすんの?

Hurtの"痛み"も、We're In This Togetherの"断崖絶壁にいる切迫感"も、そしてWith Teeth全体に感じられた"慈愛感"も、今回のアルバムからは殆ど感じられない。

その点で、非常に残念なアルバムになってしまった。

|

« ビックリしたよ、内山くん。 | トップページ | それでも、朝はやって来る。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100929/15710412

この記事へのトラックバック一覧です: Nine Inch Nails / Year Zero:

« ビックリしたよ、内山くん。 | トップページ | それでも、朝はやって来る。 »