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2007.04.01

Music Revelation Ensemble / No Wave

えー、久々の本格的な音楽ネタです…この間、ディランの話はしたけれど(笑)。

昨年末くらいから、Amazon等を通してジェームス・ブラッド・ウルマーのリーダーアルバムを6枚ほど購入しました。

彼の率いていたMusic Revelation Ensembleというユニットの80年頃に発売されたアルバムを米Amazonにて購入したのですが、聞く頻度がかなり高いアルバムとなっているところです。

Music Revelation Ensemble / No Wave

 Jbu_nowave

管理人がウルマーについて知る限りの情報を紹介してみましょう。元々はオーネット・コールマンのバンドに参加していた黒人ギタリスト。で、彼に師事してハーモロディック理論を学び、最終的にはオーネットから「理論をマスターした」とお墨付きをもらった(多分)唯一のミュージシャン。オーネットの正統的後継者と言って、差しつかえないでしょう。

僕が彼を意識したのは、82年発表の『Black Rock』というアルバムが最初。日本ではSONYから発売されて商業的にそれなりに成功したアルバムなんですが、当時の彼は「ジミヘンの再来」などと言われてまして、ラジオのポピュラー音楽番組なんかでも表題曲がヘヴィーローテーションされていたんですよね。

ただ、当時自分が聞いた限りでロック色が強かったのはこのアルバムだけの様でして、どちらかといえば「フリー・ジャズ」的要素の強い作品を数多く出している方という印象がありました。たまたま、どこかのFMラジオで82年だか83年くらいの来日ライブを放送してまして、その時は期待外れでガッカリした記憶があります。

82年当時に10代半ばだった管理人には、Black Rockは解りやすかったけれど、その他のフリー・ジャズ色の強い曲ってのは解らなかったし、敷居が高かった感があります。最近になって電気マイルスを始めとしたジャズ系の音楽を聴き始め、師匠であるオーネット・コールマンもついでに購入し始めたりして、だんだん馴染みやすくなっていたと。

そこへ持ってきてウルマーのギターの音色を思い出して、唐突に聞きたくなったわけです。

本当は先程から書いている『Black Rock』が欲しかったんですが、これは日米双方のAmazonやオークションで中古盤が高価取引されているような現状で手が出せない。そこで、レコ屋にウルマーの話をした時に「これが最高傑作!」と紹介され、そして何とか手に入れる事が可能な感じだったのが『No Wave』なワケです。

※関連エントリー
5月4日の出来事(06年5月5日付)

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そんな感じで、いろいろとウルマー関連のアルバムを購入したのですが、正直言いますと食傷気味に陥ったんです(失礼)。

僕が彼に関して持っているイメージってのは、『Black Rock』のイントロの様な爆発力。90年代に入ってからのアルバムなんかだと、同ユニット名義のアルバム(93年録音)なんかはイケるんですが、90年代後半以降の作品は上品に聞こえたりして「初めてかの曲を聴いた時のインパクト」に欠けてる感じがしてしまったかなぁ。

最近のアルバムは「ウルマー、ブルースを歌う」的な作品が多いんだけれど、(彼に求めている)混沌さと爆発力が全く足りない気がして、スルーしてしまっているのが現状。

81年発表の『Are You Glad To Be In America』はBlack Rock前夜という感があったのだけれど、まだまだ混沌さや刺激が足りない気がしたりして。

でも、レコ屋推薦の『No Wave』(80年録音)、コレはいい。

凄く荒削りな感じなんだけれど、その荒々しさが同時に混沌とした状況を深めている感があり、ゴッタ煮的な音が好きな管理人の好みのアルバムです。

さて、ウルマーやオーネット・コールマンを語る際に、触れなければならないのが「ハーモロディック」といわれるジャズの理論です。

ハーモロディックとは、簡単に書くと「音楽の各要素である、リズム、ハーモニー、メロディー、テンポ をすべてイコールな関係にし、構造の中心点をなくす」という理論だそうですが…管理人はよく解ってないのです(苦笑)。自分の解釈では「それぞれのプレイヤーが自己解釈で演じている楽器の音を、最終的に融合させていく」という風に捉えているのですが、どうなんでしょう。

で、後者の管理人独自の解釈からいくと、それにより合致しているのが今作という感があります。

そして、ウルマーだけでなく、ベースのアミン・アリやドラムスのロナルド・シャノン・ジャクソンが奏でるゴリゴリした重低音が凄まじく、まるでそれぞれが競うかのように演奏しつつ、最終的にはそれぞれのプレイとひいてはバンド自体の楽曲を高めていく風に感じるわけです。

特にベーシストのアミン・アリは、ウルマー関連のアルバムで常に重要な役割を担っているプレイヤーですが、ウルマーのギターと張り合うかのように激しい音を紡ぎ出していますな。

曲調はジャズともつかず、ロックともつかず、はたまたファンクともつかず、自由な発想とゴッタ煮感をひたすら感じます。どこかの世界に行ってしまいたい時なんかには最適な音楽かも(笑)。曲構成上、グチャグチャに聞こえて当たり前なんだけれど、曲が進むにつれて聞き始めた頃のバラバラ感が無くなり、徐々に統一感を持って聞こえてきます。

それは演奏者達の頭の中と身体に「ハーモロディック」という理論が染みついているから可能なんでしょうか。

とにかく、一聴の価値があるアルバムです。日本でもアメリカでも「中古市場で価格高騰をしている」ところが玉にキズではありますが、興味のある方は是非とも聞いていただきたいモノです。

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