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2006.11.06

野球地獄で男を磨け。

久しぶりにTSUTAYAに行ったんですわ。

岡林信康のCDとか置いてないかなぁ…なんて思いつつ陳列棚を見たんだけれど、あるもんだねぇ。

…ただ『見る前に跳べ』がない(涙)。

棚にあったのは、青空侍(kiosk氏)が持っていると言った『狂い咲き』と、彼の処女作である『私を断罪せよ』のみ。嗚呼、残念。

で、代わりというわけではないんだけれど、なんかDVDでもないかなぁなんて探していたら、こんなアニメに惹かれて借りてしまった。

それは…『侍ジャイアンツ』(笑)。

Samurai_1 Samurai_2

原作とアニメのストーリーがかなり違う事はけっこう有名な話なんだけれど、今回はそれをいちいち語らずにアニメを中心に取り上げてみます。原作とアニメの違いを知りたい方は、下記のリンクでご確認を。

侍ジャイアンツ(Wikipediaより)

僕はアニメも漫画(週刊少年ジャンプ連載)も追体験のクチです。夏休みに放映されていたアニメを見て作品を知り、その後に漫画を見たという形かな。

だから、原作漫画の「分身魔球の投げ過ぎで心臓麻痺を起こし、試合終了後に絶命」というエンディングには相当なショックを受けたんですが…それが、巨人のV9がかなわなかった事による強引な終わり方であっても(苦笑)。

アニメも原作漫画も、ストーリー自体は所謂「スポ根」ものであり、加えて「魔球漫画」でした。

個人的には、「ハイジャンプ魔球(エビぞりの方ね)がウルフ・チーフに破られたシーン」「眉月光の弓矢を使った特訓シーン」、最終回の「後楽園ゆうえんちの観覧車から球場を見ながら、南里香が番場蛮を叱咤するシーン」というのがお気に入り。

ただ、同じ「梶原一騎原作の作品」ではあっても、巨人の星に比べると人間ドラマには乏しいですかね。主人公の成長物語ではあるけれど、深みはないかなぁ。

逆に言えば、ギミックだけを素直に楽しめる作品なのかもしれないけれど。

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ところで、侍ジャイアンツが放映&連載されていた頃って、スポ根漫画と魔球漫画というジャンルが下火になっていた頃でありますな。侍ジャイアンツに関しては、V9巨人の時代にギリギリ間に合った事で成立した感がありますな。

Samurai_3 Samurai_4

圧倒的な強さを誇った「讀賣グループの象徴」でもある巨人軍が、ONを初めとした主力選手の衰えにより徐々に力を失ってきた事により、漫画もアニメも作りにくくなってしまったのだろうと考えています。

加えて、こういうスポ根アニメが見られなくなったのって、よく言われる「時代の流れ」によるものかもしれないけれど、スポーツのジャンル自体にいろんな「幻想」を持てないようになっちゃって、「等身大」の姿を見せ始めたからじゃないかなって考えています。

今ほど情報が豊富な時代じゃなかったし、逆にメディアに取り上げられる事が少ない事で、例えば「超人的幻想」「特訓幻想」などを維持していた部分がありましたしねぇ。露出が多いって事は「裸に近づいている」という事であって、それが悪い意味でリアリズムや親近感などを増長してしまい、現在では幻想は抱きにくくなってますな。

だから、スポーツ漫画&アニメの作り方も方向転換を迫られたんでしょうねぇ。

もう一つ、プロレスという ジャンルも衰退の仕方が似通っているところがある気がしています。野球とプロレス、この二つのジャンルが、テレビの発達と共に発展してきたモノであるという事も見逃せません。

本作や『巨人の星』といった野球を題材にしたもの、『タイガーマスク』というプロレスを題材にしたものというアニメ作品が、巨人戦&プロレスを独占放映してい日本テレビ系列(実際は大阪・よみうりテレビ制作)で放映されていたモノというのも偶然の一致ではないでしょう←当然、讀賣グループという枠内での企業戦略が絡んでいる事は言うまでもない。

ですが、双方のジャンルの求心力がだんだん分散してきた事によって、現実もアニメも説得力を持ち得なくなっちゃったのかなと。だから、そういうモノを作ってきた讀賣グループ自体が退いちゃうしかなかったのかなぁと。

実際に、長嶋巨人の第1期目と同時期に『新・巨人の星』が作られましたが、巨人軍の成績自体がV9に匹敵できなかった事もあって、尻切れトンボのような感じで終わっています。

いくら「アニメで非現実的なモノを描こう」としても、リアルな世界で想像力を膨らませられるようなジャンルでないと作り手側が手を出しにくい。こんな事を改めて考えていたりします、ハイ。

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ま、小難しい事はさておき、本作を見て笑ってしまったのが、川上哲治・元巨人監督と、野村克也(当時の南海ホークス選手兼監督)の描写ですわ(笑)。

Samurai_5 Samurai_6

川上はまるで「鬼」のよう(笑)。単純に見ると「勝利のためなら選手を酷使する」というイメージが植え付けられてしまいますな。

ただ、彼の場合は巨人軍の身内なワケだから、裏では「選手を厳しくも優しく見守る人情家の部分」も同時に感じさせる演出をしておりますがね。「巨人の星」も同様なんだけれど、川上の語り部としての姿が多いのはそういう効果を狙ってのモノなんでしょうね。

逆に野村は、讀賣の身内じゃないから「イヤらしい策士」として描かれております(爆)。「勝負のためなら、ルールに触れない限りどんな手でも使うんや!」ってセリフがあったりしますが、見ているだけで不愉快だし憎悪を感じてしまうというか(苦笑)。

こちらの場合は、現在のイメージのまんまなんでしょうけれどね。野村のイメージが選手時代からあまり良くないのは、たぶんアニメによる刷り込みが大きいからなんでしょう。実際もそうらしいから、ここは素直な描写だと評価した方が良いのかな(爆)。

…主人公=番場蛮のことを殆ど書いてないけれど、これでいいんだろうか(苦笑)。

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コメント

http://www.musicfield.jp/item/118151

LPで良ければ・・・。

投稿: 青空侍 | 2006.11.06 10:29

>青空侍様

>LPで良ければ・・・。

既にチェック済み(苦笑)。

投稿: kikka | 2006.11.06 12:18

ビデオ全巻ダビングしたわしにどうせいと。
やはり「侍ジャイアンツ」は今は亡き富山敬氏の
仕事ぶりに注目ですね。
折りも折り,美波理香役の武藤礼子さんも先日
お亡くなりになりましたね。
野村を出すなら中途半端な江本も出せと。
ついでに「長嶋流ケンカ野球」も出せと。

いまニュースで仁志のサヨナラホームランの
映像が。「グッバーイ!ホームラン!」と
絶叫してるのは確かに船越! 諸行無常。

投稿: イエデビ | 2006.11.06 23:27

「侍ジャイアンツ」、懐かしいですねえ。
見てましたよ、主に再放送でしたが。
でも、原作読んだことないので、エンディングについては知らなかったです。
なかなかショッキングですね。

投稿: piouhgd | 2006.11.06 23:55

pio様>

>見てましたよ、主に再放送でしたが。

僕も再放送で知ったクチです。
僕らの世代は見てるよね…男の子だったら。

>エンディングについては知らなかった

結構ね、原作本を読んでない人が多いんですよ。
かくいう僕も、
原作は断片的にしか覚えてなかったりして。
具体的に言うと、ハラキリシュート以降は
覚えているんだけれど、
それ以前の記憶が飛んじゃってるんですよね。

確認しようとマン喫で探すんだけれど、
巨人の星とかアストロ球団はあるのに、
侍ジャイアンツはないんだよなぁ。
井上コオ唯一のヒット作なのにねぇ(苦笑)。

投稿: kikka | 2006.11.07 05:04

イエデビ様>

>ビデオ全巻ダビングしたわしにどうせいと。

ダハハハ!
決して「貸せ!」とは言わないから、安心して。
TSUTAYAのヤツを(以下省略)。
その前に「巨人の星」も見つけたから、
そちらを何とかしたいなと。

>富山敬氏

wiki見てビックリしたんだけれど、
侍ジャイアンツの後番組って、
宇宙戦艦ヤマトだったのね。
だから、その時期の日曜夜7時半の
よみうりテレビのアニメ枠ってのは、
富山敬に寄りかかってたんですなぁ。

関係ないけど、
TBSラジオの『750ライダー』の早川光って、
富山さんじゃなかったですっけ?
番場蛮&早川光&古代進が
富山さんのイメージとして強いですな。

>野村を出すなら中途半端な江本も出せと。

しもべのイメージしかないがな>江本。
野村の描写が強烈すぎて、
江本も山内新一も広瀬もかすんでますわ。

>ついでに「長嶋流ケンカ野球」も出せと。

あの「昭和43年9月18日」って、
花形満が大リーグボール1号を
鉄バット打法で打ち込んだ試合じゃないですか。
(※あくまで梶原史観)

あの阪神-巨人戦って、
題材にしやすい試合なんでしょうね。
(※乱闘→直後に長嶋のHRまでは事実)
それにしても、
金やんのケンカっぱやい所だけが目立つけど、
あれは当時のロッテ監督に対する当てつけかと。

改めて考えたんだけど、
巨人の星を思いっきりぬるくすると、
アニメ版の侍ジャイアンツになるのかなって。
子供向けと云う事で
制約がたくさんあったからなんでしょうけど、
単純にエンタテイメントに徹するならば、
よくできたアニメじゃないかなと思えますな。

投稿: kikka | 2006.11.07 05:24

富山敬は「山ねずみロッキーチャック」
ではウサギの役だったような。同じ日曜
なんだが。まあ納谷悟郎なんかはウルトラマンAの声
と変身忍者嵐の敵の首領の声を同じ時間帯でやってましたから。

>あの「昭和43年9月18日」って、
>花形満が大リーグボール1号を
>鉄バット打法で打ち込んだ試合じゃないですか。
>(※あくまで梶原史観)

あの試合,巨人が大勝したはずなんですが
「巨人の星」では逆転負けです。
「これが人間の手かいな!!」

>あの阪神-巨人戦って、
>題材にしやすい試合なんでしょうね。
>(※乱闘→直後に長嶋のHRまでは事実)

共通してるのは王さんにぶつけたのは権藤なのに
全部バッキ-のせいにしてるところ。やはり
日本人特定はまずいのか?バッキー一人悪役に
しろと。合気道で殴りかかった早実の先輩はいいのかと。

「侍ジャイアンツ」自体は肩の抜けた名作で好きなんですよ。
でもそのころ,梶原先生は三協映画と格闘技興行と
女優漁りと編集者殴るのに忙しくて,あきらかに
片手間で書いてますね。最終回なんて,あきらかに
ジャンプの人気投票で急遽決めた感じでね。
当時の記憶では「ジャンプ4週連続新連載」
で,「どぐされ球団」の(YESあぶさんのパクリ)
竜崎のデビュー作「炎の巨人」が控えてたから
終わったって感じでしたね。
当時巨人の漫画化の権利は集英社が独占してましたから。
だから「野球狂の詩」にも巨人は登場しないと。


以上久しぶりのつまらぬ薀蓄。

投稿: イエデビ | 2006.11.07 21:14

イエデビ様>

できれば【アニメ】に限定して欲しかったですが(苦笑)。

>富山敬は「山ねずみロッキーチャック」
>ではウサギの役だったような。

声優の使い回しって、昔は当たり前だったでしょ?
一人で何本も掛け持ちってのがね。
ただ、ここで云いたかったのは、
番場蛮→古代進っていう「主役級」を引き継いだって事。
端役まで合わせちゃったら、話が複雑になっちゃいますわ。

>あの試合,巨人が大勝したはずなんですが
>「巨人の星」では逆転負けです。
>「これが人間の手かいな!!」

で、自分の愚かさに泣く速水に、
川上が「医師団に説明してこい!」って叱咤すると。

>通してるのは王さんにぶつけたのは権藤なのに
>全部バッキ-のせいにしてるところ。

侍ジャイアンツの長嶋の話のところでね、
柿本(中日)のビーンボールまがいの投球でも、
セリフが「わざとやったワケじゃない」
「手元が狂った」って感を匂わせてますもんね。
日本人の勝負の価値観として、
卑怯な事はしない前提があったからじゃないかなと。
ある意味で「道」を重視していたから、
悪役はそれを知らない外人に押しつけるのが
得策だったんじゃないですかねぇ。

>合気道で殴りかかった早実の先輩はいいのかと

ダハハハ!
荒川コーチ(当時)なんて、インパクト弱いがな。
当時の金やんのキャラとして正解だったんじゃないかと。
アニメの「金やんが蹴り足を上げる」ところで、
アストロ球団の「金やんダンス」を思い出しましたよ(笑)。

>あきらかに片手間で書いてますね。

でしょうね。
あの時期の梶原作品って
アニメ化された作品も結構あったけど、
振り返ると強烈なモノが「空手バカ一代」くらいかなぁ。
明らかに供給過多な感がありますけどね。
「愛と誠」まではそんな感じだったんじゃないかなぁ。

>「どぐされ球団」の(YESあぶさんのパクリ)

どぐされ球団、好きだったのよ(笑)。
ついでに云えば、竜崎遼児の絵も下手だけれど好き。
酒を抜いたあぶさんってのは、素直な感想ですな。
鳴海真介、懐かしいなぁ。

>当時巨人の漫画化の権利は集英社が独占してましたから。

嗚呼、そうだったんですか>独占。
まぁ、水島画伯は巨人を描かないからこそ
リアリティを保てたところはあったんじゃないかなぁ。
野球狂の詩の路線もその賜物だと云うことでひとつ。

投稿: kikka | 2006.11.08 14:34

ロッキーチャックですかぁ。懐かしいなぁ..
もう一回みたいです。
富山敬は、キツネの声だった気がします。
(記憶だけですので、ご容赦)

侍ジャイアンツは、野球に興味があまりない私が
見ていたくらいですから、子供ごころに
ひきつけられていたものがあったと思います。

番場蛮、やっぱかっこいいよなぁ。。

投稿: すぴるり | 2006.11.16 10:13

すぴぞう君>

>野球に興味があまりない私が
>見ていたくらいですから、

というかね、
選択肢が限られていたんじゃないかと(苦笑)。

>番場蛮、やっぱかっこいいよなぁ。

子供にはカッコ良く見えるよねぇ>番場蛮。
巨人の星よりもアニメ自体が見やすかったしね。

でも、後からエントリー起こすけれど、
今の歳になるとやっぱり星飛雄馬に感情移入するなぁ。
DVDレンタル+マン喫での全巻読破で
更にそんな気分が高まっているところです。

投稿: kikka | 2006.11.18 16:19

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