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2006.09.04

資生堂のCMを語ろう。

というわけで"TSUBAKIのCMにイチャモンを付ける"というエントリーです(笑)。

資生堂・TSUBAKIのCMについては本当に閉口しています。とはいえ管理人は「CMヲタ」でありますから、30秒ヴァージョンに関しては全てキャプって保管してあります。

しかし、マジで「保管しただけで二度と見なくなったCM」は珍しいですな(苦笑)。

いろいろな意味で「資生堂のCMに対しては畏敬の念を持っていた」だけに、発売予告編の時からガッカリしてしまいました。

 Tsubaki1_1

このCMに関しては「沸々とした思いをずっと持っていた」のですが、完璧に怒りの導火線に火を付けたのはこのエントリーの"無我くん"のコメント(笑)。

"今の資生堂の椿のCMはスマップの歌と相まって大嫌い"
←激しく同意。

そして、ブログの管理人としては「ネタに出来ないかな?」という事も同時に考えてしまったと(苦笑)。1日に「資生堂企業資料館」に行ってきたり、自分が所有している資生堂の過去CMを全て見たりと、更に論ずるためにネタ探しをしてました。

で、こうやってエントリーを起こす準備が出来ました、ハイ。

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Tsubaki2_1 Tsubaki3_1

Tsubaki4_1 Tsubaki5

この『TSUBAKI』ってのは、シャンプー市場で押され気味になっていた資生堂が、起死回生の一発として企画した新商品です。商品名に『椿』という資生堂の象徴とも言える花の名前を付けた事からも解るように、売る側の「不退転の決意」を感じさせます。

実際に、春先の発売開始から1ヶ月で40億円の売り上げがあったそうで、メーカーの思惑通りに事は運んだようです。

でもね、CMだけを見ると「空回り」の印象ばかりが目立ちます。それを今から検証していきます。

気にくわないのは、女性タレントを「これでもか!」と言わんばかりに投入させている事です。

《TSUBAKI出演タレント一覧…順不同》
春・宣言編→仲間由紀恵、竹内結子、広末涼子
      田中麗奈、観月ありさ、上原多香子
夏・宣言編→荒川静香、香里奈、吹石一恵、森泉
      黒木メイサ、相沢紗世

このメンツを見て「ハッ!」と気付く人は多いんじゃないかな。荒川静香(もちろんトリノ五輪の金メダリスト)黒木メイサ(直前までコーセーのCMに出ていた)以外は、全てが「何らかの形で資生堂のCMに登場していた女性タレント」です。

この多人数を見ると、なりふり構わない「物量作戦」に資生堂が乗り出してきたという印象があります。5人グループであるSMAPの曲を採用している事、これも「物量作戦」を象徴している気がします。

例えば、同じ様に複数タレントを使い展開している現行CMに『マキアージュ』があります(←伊東美咲、篠原涼子、栗山千明、蛯原友理の4名)。しかし、マキアージュの場合は発売直後こそ4人が登場したけれど、その後はそれぞれのタレントのパーソナリティを活かした形で制作されているように見えますし、二人以上の組み合わせもありません。

でも、TSUBAKIの場合は、短いCMの時間内にタレントの登場場面を細かく&無理矢理に詰め込んでしまっています。その所為か画面の移り変わりがスピーディに切り替わる展開を余儀なくされ、落ち着きのない映像になってしまっています。

全体的な色調が黒(髪の色)とか赤(←商品の色)とか濃いめのモノが多いですし、SMAPの曲も「五月蠅い」という以外の感想が持てないですし、ここでも落ち着きの無さだけが強調されてしまっています。

で、画面展開の途中には、エヴァ風(笑)の「黒ベタ白ヌキ文字」が何枚も挿入されています。文字で見せる方法もCMにはありますけど、あのセットを化粧品メーカーが使うのはいかがなモノかと。CMディレクター(プランナー)は「アニヲタのDQNじゃねぇか?」と疑念を抱いてしまった(爆)。

とにかく、画面も音も「下品!」

変な話、タレントを長く映さない事で商品自体がクローズアップされてしまってますが、逆に「TSUBAKIの特性が全く解らない」という悪循環に至っているんじゃないかな…なんて見ましたが。

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企業資料館で昔のCMを見つつ、現行他商品のCMを見ながら考えたのは、資生堂のCMって「もっと、さり気ない」というイメージがあり、それでいて「商品の要点がクローズアップされている」という事も同時に感じさせています。特に前者の「さり気ない」部分は、ファッション的なイメージを大事にする企業=化粧品会社にとっては大事な事ではないでしょうか?

複数のタレントを使った同社CMのケーススタディとして、72〜73年頃の『春の資生堂化粧品デー』のキャンペーンCMを取り上げてみます。ちなみにプランナーは先日も話題にした杉山登志8月28日のドラマでも紹介されたので、ご存じの方も多いでしょう。

ここでも「資生堂ゆかりのタレント達」が勢揃いしていますが、合唱団風に歌を歌っています。タレントの中には草刈正雄とか秋川リサとか前田美波里とか加賀まりことかの顔が見えますね。

複数タレントを使っていながらも、その見せ方がやっぱり圧倒的に上手いし散漫になっていない。ここで写真を並べてみますが、左から右に場面が流れていくと考えながら見てください。

_1 _2

_3 _4

 _5_1

まずは自社CMに起用しているタレントをそれぞれアップして、最後に中心から全体を映すようにカメラが引いていくという流れになってます。それは「違った個性の商品が揃って、一斉に『化粧品デー』という祭りを行っていく」という、資生堂全体での盛り上げの意志がハッキリと見えます。

それぞれのタレントが「思い思いの服装をしている」のがミソなんですが、彼らが声を合わせて歌を歌う事の意味が、視聴者にも解りやすく出来ていると思います。

先程も少し書きましたが、資生堂のCMってのは「さり気ない展開」が命だったはずです。タレントを集める事自体は(TSUBAKI同様に)お金をかけている証明ではあるんでしょうけれど、CMイメージが「さり気なさ」を維持している事で過剰にも嫌味にもなっていない。

この上品さこそが資生堂なのに。

資生堂のCMは、化粧品という商品ジャンルを「単なる大量消費財」として捉えていないところが素晴らしいんです。決して「物量作戦」などという愚挙には出なかったところに、先見の明があったんです。

余談ですが、危機的状況に陥ったカネボウの場合は、やはり元が化粧品会社じゃないだけに「大量消費財のCM」と見えた事が多かったです。資生堂が不動の地位を築き、他社が後塵を拝しているのは、ここの違いが大きいと考えています。

昔のCMも、現行のCMも、「資生堂の商品を使う事で、生活が思わず楽しくなっちゃう」というイメージで一杯です。そして、化粧品業界のリーダーとして「消費者に対しての商品提供の仕方を、自社が先頭に立って提示する」という、強固な意志が見えていました。

その良き伝統が全く感じられない部分、これが「TSUBAKIのCMは失敗だった」と僕に思わせる一因となっているのは間違いないでしょう。

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ここまで、あれこれとイチャモンを展開させましたが、実は件のドラマで「資生堂、恐るべし!」というCMに出会ってしまいました。

次回はその話をエントリーします。


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コメント

こんにちは。
知り合い、というか親戚に資生堂のBAをやっている人がいるのですが、TSUBAKIは花王のAsienceに対抗するために打ち出したものだそうですね。

たしかに赤っぽいパッケージといい、黒髪を強調しているあたり、露骨に対抗心が出ています(笑)。

アジエンスはチャン・ツィイーのアジアン・ビューティーぶりと坂本龍一の音楽がはまっていて、一度見ただけで結構インパクト大きかったですけど。TSUBAKIの方はモロに「お金かかってるなーー!」っていう印象が先にきちゃいますね。
商品自体は、お値段リーズナブルなわりになかなか悪くないようです。と、フォロー(笑)。

投稿: glasshouse | 2006.09.07 13:43

glasshouse様>

どうもどうも。
今日は「CMソングの日」なんですけれど、
さっきまでそのエントリーを作っていたんですが、
終了間際で飛ばしてしまった(泣)。
嗚呼、もう一度打ち込むのって面倒臭いなぁ。

>親戚に資生堂のBAをやっている人がいる

あれま。
もしかして、月曜日に覗きに来た人って、
その方じゃないでしょうね(笑)。

>露骨に対抗心が出ています

露骨すぎるんですよ。
それが匂った時点で、CMとしては駄作ですよね。
企業理念とか企業が重要視するイメージなら兎も角、
商売的な戦略が匂ってきたら、そのCMはダメですよ。

>モロに「お金かかってるなーー!」

でしょ?
マジでね、その親類の方に忠告して欲しいと。
BAやってるなら、意匠部に忠告できるだろうと(笑)。
あるいは「このページを見ろ!」と
全体的に強制して欲しいというか(苦笑)。

>なかなか悪くないようです。と、フォロー(笑)。

僕もフォロー入れておくけれど、
"アデノゲン"と"スーパーマイルドシャンプー"の
ユーザーですから(笑)。
前者については、特に聞かないように(爆)。

投稿: kikka | 2006.09.07 14:21

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