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2006.08.06

G・馬場vsS・ハンセン(82年)。

亀田興毅の世界戦が物議を醸してるけれど、本日になってまた親父がネタを提供してくれてますな(笑)。

亀田父が反撃、バッシング歓迎
※痛いニュースより

もうね、プロとして空気が読めなさすぎ。これを機に「大ヒール(悪役)」になろうと方向転換したんだったら感心するけれど、どうも此奴にはそこまでの思慮深さを感じない。息子に対しては、「どこか醒めてる」感が日が経つ事に強くなっているのだが。かといって、親父も息子も痛さの度合いは変わらないけれど。

「嫌われてる事は勝った事」って、どうしたらそういう思考になるのか(苦笑)。「お前らが中途半端な興行をやってるから、納得出来ねぇ」って事を含みながら世間は怒ってるのに、もう少しトンチの効いた事を言えよと(失笑)。

そういう空気の読めない方々には、是非とも偉大なるレスラー・ジャイアント馬場の試合でも見て、爪の垢でも煎じて飲んで欲しいモノだ…って、馬場はお亡くなりになってるけれど(苦笑)。

 Baba1_1 Baba2

元々、僕は猪木ファン(←信者とは意地でも言わない)なんだけれど、ここ最近になって馬場の試合が見たくってたまらないんである。

年齢の所為なのか、あるいは猪木全集をイエデビさんに提供していただいたお陰でいつでも見られる状態になっている所為なのか、馬場のDVDというのが権利関係の問題で未だに発売されていない所為なのか、自分でもよく解っていない。

ただ、ジャイアント馬場という人がリング上で圧倒的な存在感を示していた事、その事への郷愁みたいなものはあるのかなぁ。猪木も選手としてリングに上がらなくなって久しいけれど、馬場の場合はこの世に居ない人なワケだから余計なのかもしれない。

いまのプロレス&格闘技界を見渡すと、猪木色のみならず馬場色さえも無くなりつつあるし、オマケにそれを超える新しいモノさえ現れていない。たたずまいだけで存在感を示してくれるレスラーが居ないんである。

 Baba3 Baba4

たまたまだけれど、圧倒的な存在感を持つモノが居ないのはボクシングも同じだという事に今更ながら気付いた。

亀田興毅のこれまでの試合が、あそこまでいろんな飾り付けを施さなければならなかったのは、彼が試合だけで魅せる事ができない選手であるからだ。図らずも今度の試合でそれが世間に公開されてしまったワケで、ここから協栄ジム&TBSはどういう戦略を立てて売り出していくのだろうか。周囲の煩わしさばかりが目立って亀田本人が目立たなくなってしまっている現状では、次の試合を待たずして飽きられてしまう可能性だってあるんじゃないかと思えてしまう。

話を馬場に戻すと、たたずまいだけで幻想を抱く事が出来る選手ってのは、プロスポーツ界にとって宝だと思う。馬場の場合は、日本人では群を抜いた身長というのがあるし、キャラクター的に解りやすかったのは今更いうまでもない。

加えて、アメリカの大男を小さい日本人が制する=力道山時代と違って、高度経済成長で自信を蓄えてきた日本人がアメリカ人と対等に戦っていく時代に移行して、外国人にヒケをとらない馬場が時代のヒーローとして流れに乗り、そのまま永遠の存在になっていったと考えている。

 Baba5 Baba6

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で、今週になって『ジャイアント馬場 vs スタン・ハンセン』の映像を幸運にも入手する事が出来たのですよ。

ハンセンも「テキサスの暴れ馬」っぽいキャラクターが非常に解りやすい選手だった。全日本プロレスに移ってからは、人の良いオジさんっぽさも加わってきて、ますます日本人に愛された選手だった。

ただ、この時は猪木の好敵手として名を上げたハンセンが、馬場の全日本に引き抜かれた後の初のシングルマッチ。選手として下り坂を迎えていた馬場だったが、その最後のライバルとして立ちはだかった、そんな役どころがハンセンに与えられた感がある。

馬場とハンセンのシングルマッチでは、この82年の初対決と、馬場がチャンピオンベルトを奪取された85年の4月の2戦が思い出深い。どちらも馬場にとって80年代屈指の名勝負で、彼の選手としての器の大きさも感じさせる試合だった。

 Baba7 Baba8

今回の映像は、初対決(82年2月4日、蔵前国技館)の模様を収めたものだ。実況は日本テレビの倉持アナと言うところが、全日本カラーというか(笑)。

そして、馬場が終始楽しそうに試合している感もある。好敵手を(引き抜きではあるけれど)得た事で、ワクワクしている感じが一杯なんである。

馬場のハッスル振りは、繰り出す技にも現れていた。16文キックとか河津掛けという定番コースだけでなく、この頃は本当に滅多に出さなくなっていた32文ロケット砲(ドロップキック)まで繰り出していた。ハンセンという選手に対して馬場がどれだけ期待していたか、そして格の大きさに合わせて敬意を表していたか、それが解ろうかというものだ。

筋書き云々は別にして、やはり「リングの上で戦う選手」が僕ら観客をヒートアップさせていくというのは気持ちのいいものである。プロレスの場合は、重要な試合の前にいろいろな遺恨や因縁が積み重なって大一番で爆発する…というのが常道だ。それが気持ちいいほどに行われているのがこの試合だ。

 32mon Lariat

またまた亀田を引き合いに出すけれど、煽るだけ煽っておいて試合内容があれじゃなぁ…という感が彼の場合は否めないんだよなぁ。その辺りがリング上のエンタティナーであるべきボクサーとして致命的に欠けちゃってる点なんだよなぁ。

プロレスとボクシングを一緒にするなという無かれ。

ボクサーだって、過去の偉人であるアリだってフォアマンだってレナードだってハグラーだってデュランだって、日本人なら辰吉丈一郎だって赤井英和だって渡辺二郎だって具志堅用高だって輪島功一だって大場政夫だって、凄まじい試合を魅せてくれたでしょうが。その点では馬場とか猪木とかと同じである。

やっぱり、馬場はジャイアントでした!

 Babalast Longhorn

今の時代に、ここまで「リング上と観客との関わり合い」を作れる選手がいるだろうか。チンケな煽りだけが目立ってしまうリング上、今後への繋がりを考えないでその場限りで盛り上がればOKなイベントなどという、そんな悪しき流れをどこかで断ち切る様な事は出来ないだろうか。

少なくとも、促成栽培の選手では、馬場や猪木やボクサーの偉大なる先人達の足下にも及ぶ事は出来ないだろう。煽りが上手くいったとしても、19歳やそこらの人間ではリング上でプレッシャーに押しつぶされるって。それをみんな解っているはずなのに、なんで事を急いじゃうんだろうねぇ。

19歳のガキに頼らなければならない大人達ってのは、いったい何なんだろうねぇ。もう少し冷静になれよと、作り手側には言いたいですわ。

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コメント

「馬場選手の作戦になにかこう“うたれた”というような東京体育館のお客様」
「やれやれ馬場」(BY倉持)「日本人らしく堂々と」(山田さん)
「クラッシャージョウ」で有名なSF作家高千穂遥(ネーミングの由来はわかるね・斑牛風)が,
「日本人であることを誰もが確認した試合」
と語っていたが,まさにその通り。そりゃまあ,ブックどおりなんだろうが,観客の本気度を受け止めて,
予想以上の興奮をもたらす80年代のプロレスを見られたわれらは幸せですよ。いまの観客に同じ…(以下略)

ちなみに馬場さんの試合映像うちにけっこうありまっせ。
ハンセン戦の時の馬場さんが45歳。複雑や。

投稿: イエデビ | 2006.08.06 19:07

イエデビ様>

お待ちしておりました。

>観客の本気度を受け止めて,
>予想以上の興奮をもたらす80年代のプロレスを
>見られたわれらは幸せですよ。

プロレスだけじゃなくって、
全てのジャンルにいえるでしょ。
単なる郷愁でこう言ってるんじゃ無くって、
やる側も見る側も
想像力が欠如している事への警鐘かなと。
ダイレクトな感覚に訴える事ばかりしてるから、
全般的に感覚が麻痺しちゃってるんだよなぁ。

>いまの観客に同じ…(以下略)

だから、亀田の試合なんかでも、
昨日のヒーローズにしても、
煽りが下手すぎて素直に入っていけないというね。
みんなが脳内を活性化させてる感が乏しいんですよね。
あるいは伏線を張りすぎて
がんじがらめになってしまってるというかね(苦笑)。

>馬場さんの試合映像うちにけっこうありまっせ。

さすがヲタ(苦笑)。
その内のホンの一部は以前に見せてもらった気が。

ただね、こちらもここ2週間ぐらいで
馬場の試合がいくつか手に入りました。
「vsラジャ・ライオン」(※唯一の異種格闘技戦w)
BI砲の「vsブッチャー&シン」
(※夢のオールスター戦…死去後にNステで流れた)
…などが舞い込んできまして(笑)。

個人的に見たいのは、
レイスとのNWA世界戦&PWF世界戦
77年以前のチャンピオンカーニバル決勝戦
そして、たぶん発売もされていないし、
フルバージョンは公開されてないでしょうが、
大阪球場のvsジン・キニスキー戦なんかがいいなと。

必殺技は32文とランニングネックブリーカーがあれば、
それでオッケーです(笑)。

投稿: kikka | 2006.08.06 19:46

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