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2006.08.02

浪速の闘犬、牙を折られる。

終盤の攻防を振り返ると、どう見てもラファエル・なんとか(※注)フアン・ランダエタの方が優勢だったような気がするんだけれどねぇ。

対戦相手も決め手がなかったし、ちょっと皮肉っぽい言い方をすると「ホームタウン・デシジョンも実力のウチ」と言う事でいいんじゃないでしょうか(笑)。

※注:何故かラファエル・ペドロサという「渡辺二郎が世界王座を獲った時の相手」を思い出し、ずっと亀田の対戦相手を「ラファエル・なんとか」と記憶していました(笑)。

協栄ジムへの移籍で揉めていた時には、トラブルメーカーのイメージがありましたね。試合後の人を舐めたようなパフォーマンスを、いぶかしげに見ていたクチもいたでしょう。

それに売り出し方は疑問符を付けたいですがね…僕らは辰吉丈一郎赤井英和を見ているから、あの程度では心は動かされない。

ハッキリ言うと、世間は殆どが「アンチ亀田親子」だったんじゃないかな…一部の信者は別ですが。

ただ、亀田の長男は「ボクシングに対して、真摯に付き合っている」印象は持っていました。だから、決して親父の操り人形ではないだろうし、彼自身がボクサーとして自我を抱いている事もだんだん解ってきまして、少しは興味を持ってきたかなという感じでしょうか。

世界戦で苦戦した事で、もしかしたら世間のバッシングを受ける可能性は大ですな。協栄ジムは、いろいろな前科があるジムですから余計に…。

でも、彼が苦労して得たモノはあるでしょう。試合後のコメントで泣きじゃくって話した姿が亀田の本来の姿でしょう。本日の試合もかなりのプレッシャーがかかっていたのは、画面を通してよく解りました。そんな状況でも、どうあれ乗り切ったわけですから素直に良かったんじゃないかなと。

亀田興毅というボクサーに対して、素直に敬意を表したいです。そして、彼自身が巨大な存在になって欲しいとも(ちょっぴりだけど)思っています。

だからこそ、本日の苦戦した試合が血となり肉となればいいのではありますが。苦境をはね除けるだけの力を、是非とも身につけて欲しいのですが。

世界チャンピオンになるような選手は、やはり「パンチも強ければ、ガードも固い」です。一点を集中して鍛えていくという育て方もあるでしょうけれど、最低限の準備はすべきです。本日見た感じでは、いずれも準備が十分でなかったという感がありますね。

亀田も、亀田の親父を中心としたスタッフも、本日の試合で「牙を折られた」事でよーく身に染みたんじゃないかなと、そんな事を考えているところです。


《追記》
何か、いろんな場所で糾弾騒ぎが起こってますな。まさか「きっこのブログ」でも書いてるとは思わなかった。かのブログも、今の時期はヒマなんでしょうか(笑)。

確かにダーティだけれど、そんなに目くじら立てなきゃいけない話なのかなぁ?

亀田の結果を喜べとは言わないけれど、今回は「協栄ジムが興行権を握った」時点でこういう結末もあり得ると思わないと。どうしてもヒーローとやらを作らなきゃいけなかった事情があったんでしょうし、それは今までの試合を振り返ればあからさまなのは明白だったわけで。

そういえば、鬼塚勝也の時もそんな感じだったかなぁ。あの時は、日テレ=帝拳に「辰吉丈一郎が現れた」から、TBS=協栄もヒーローを作らなきゃいけない事情があったですから。鬼塚自体はチャンプに相応しい選手ではあったけれど、タイトル奪取の仕方がまずかったイメージがあります。

亀田も鬼塚も、ホームタウン・ディシジョンの上での結果と割り切れば、問題はないでしょう。八百長という言葉がネットで飛び交ってますが、八百長という本来の意味とは違うでしょ。あれは出来レースだったかもしれないけれど、表現としては「偏向判定」と言うのが正しいんじゃないかと。

話が逸れますが、ユーリ海老原のタイ遠征しての防衛戦で、タイ人の挑戦者がKO喰らいそうになったところで「残り1分でゴングを鳴らして急場を凌いだ」というのが過去にありました。プロボクシングって基本的にはスポーツ色よりも興行色の方が強いジャンルだから、露骨なホームタウン・ディシジョンって全世界でけっこう見られます。本場のアメリカや中南米の試合なんかでも似たような事は起こってるし、五輪のアマボクシングでも「ん?」って判定は多いですしね。

ただ、日本は「恥の文化」(ここではイイ意味で捉えてください)が根底にあるので、亀田程度でも大騒ぎって感じになっちゃうんでしょうかねぇ。

幸か不幸か、悪いイメージでも話題性は十分なんだから、興行主の思惑に上手く乗せられてますな(笑)。気に喰わなきゃ見に行かなきゃイイだけの話なんだから、そんなに目くじら立てなくても。

これを機に、亀田興毅というプロボクサーが「大ヒールの道を歩み始める」んだったら、それはそれで面白そうなんですけれどねぇ。でも、彼も周囲もそこまで開き直る度胸はないでしょうし、これまでが中途半端だったから難しいかなぁ。

《追記・その2》
亀田のコメントってのを見たら、此奴はどこまでピエロを演じていくんだろうかと心配してしまいました。これ、まさか彼自身の本音じゃないよな?

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KOばかりだったから、判定は緊張するなあ。最初、(判定で)ランダエタの名前が挙がって「やばい」と思ったけど、手元にベルトがあるからなあ。
(←毎日新聞のページから試合後の記者会見コメント)

       
       ↑

"手元にベルトがあるから"ってのが、妙に悟ってる風にも見えるんですけれど。それはそれで面白いんだけれどねぇ。

どんなもんじゃー! 今日はブサイクな試合してすんません。(涙を流しながら)オヤジのボクシングを世界に通 用すると証明できて良かった……。これ(世界ベルト)はオヤジにプレゼントします。オヤジ、ありがとう! (←スポーツナビ掲載の試合直後のコメント)
       ↑
       ↑

親父のボクシングは、通用して無いじゃないの(苦笑)。たぶん、コメントなんかも「こういう風に言え!」と周囲から吹き込まれてるんだろうなぁ。「不細工な試合」の後に「通用する」って言い回し方をして、この相反する事を並べてしまうところに、亀田とその周囲とになにか違和感や温度差があるんじゃないかと見えたんですが。

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親父から離れる事、協栄ジムから離れる事など、環境をガラッと変えないと此奴は成長しないんじゃないかと見受けましたが。エディ・タウンゼントカス・ダマトみたいな名伯楽がいれば、そこにあずけた方が良いんじゃないかなぁ。親父の元にいたままじゃ、選手としても人間としても成長できない気がします。

バカ親父だけじゃなくて、いろんな外野までもが関わってきてしまった亀田のボクシング人生に、明日はあるのか?

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コメント

いやあ、1日経って見て考えたのは、
これからどういうストーリーを書くつもりなのかですねえ。
筋書きの無いドラマなどと、言うほど僕もお子ちゃまじゃないですから、
亀田陣営がどういう風な筋書きを持ってるかが問題なような気がします。
ま、持って無いでしょうけどねえ。。。
弱いチャンプを転がすのは難しいですねえ。
こう言う時、冷静に見れる人がブレーンにいるかで、
まるっきり違うでしょうねえ。。。。。。
しかし、昨日の試合、言っちゃなんですが、
あれだけの観客を呼べて、あれだけの金を動かせると言うのも、
ボクシングの場合実力のうちなんです。
文句あるなら、完璧に倒せばいいだけの話で、、、、
と、思ってみたが、やっぱり哀しいのは隠せませんなあ。
この場合親父がちょと何も考えられずに、痛そうなのが気がかりですなあ、
会長???もっと痛いがな。。。。
ブレーン不足の感が否めないなあ。。。

投稿: 雄三 | 2006.08.03 10:36

雄三様>

>これからどういうストーリーを書くつもりなのか

何にも考えてないでしょ(笑)。
却って負けちゃった方がストーリーは書きやすかった。
今回は何が何でも興毅をチャンプにするという
意思表示がいろんな場所で見えてましたが、
逆に言うと急場の方向転換ができないようでは
興行主としては2流だってことですよ>協栄プロ。

>あれだけの観客を呼べて、
>あれだけの金を動かせると言うのも、
>ボクシングの場合実力のうちなんです。

それは間違いないですよね。
ボクシングがスポーツなのは確かだけれど、
興行という側面が入ってきてることで、
主催者側の思惑が強くなる事は考えないと。
高額な契約金などが動いていたり、
あるところでは国の威信もかかってるでしょうから、
それをペイする方向に動くのも興行の世界。

>やっぱり哀しいのは隠せませんなあ。

ただ、選手側がそれを超えるモノを持たないと、
チャチに見えちゃうのは仕方がないです。
昨日の亀田は、やっぱり「19歳の子供」ですよ。
巨大な幻想が乗っかりそうもない選手でした。
しょっぱなから大波がかぶってきた亀田が、
今後はどういう風に動くのかは興味がありますな。

>やっぱり哀しいのは隠せませんなあ。

けっこう面白可笑しく見させてもらってますけれどね。
周囲の反応が面白いんで、高みの見物してます。
ボクシングへの愛情が最近は薄まってるんで、
冷静に見られるのかもしれませんけれどねぇ。

投稿: kikka | 2006.08.03 12:58

 魂を売ってしまったものの末路は哀れなものです。
 亀田も急ぎすぎた・・・というか、周りが急がせすぎたのでしょうね、こんな形でチャンプになると、今後何がどうなっても十字架を背負ってしまいました。
 ボクシングは誰よりも正攻法なんだから、生き方もまっすぐ生きてほしいものです。このような形で、せっかくの才能が弄ばれるのは痛々しくてかないません。
 昨夜は、正直負けて欲しかった。

 いろんな大人たちの思惑のおかげで、ボクシングがつまらなくなるなぁ・・・。プロレスと同じ道を歩むとは思いませんが。

投稿: kiosk | 2006.08.03 13:30

kiosk様>

>魂を売ってしまったものの末路

まだ始まったばかりなのに(苦笑)。
いいんですよ、これから大きくなれば。
でも、強引な勝利を選択しただけに、
これ以上に厳しいイバラの道を歩む事に
どれだけ自覚的になれるでしょうかね。

案外、長男は醒めている気もしますが。
親父はドップリ浸かっているけれど(笑)。

>昨夜は、正直負けて欲しかった。

興行師としてのセンスの無さが見て取れますな。
却って浪花節に訴えた方が
一般への訴求力が強くなると思うんですが、
それを選択しないのは何故でしょうかねぇ。

もしかして、具志堅の栄光が
未だに足かせになってるのかなぁ>協栄ジム。
別に連勝して「スター誕生」させなくても、
素晴らしいボクサーは作れるだろうに。
鬼塚といい、今回の亀田といい、
無敗にこだわったのはそういう事かなと、
勝手に思っている自分がいます。

投稿: kikka | 2006.08.03 20:42

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