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2006.03.26

ふと聴きたくなる音楽。

誰にも「何年か一度に、無性に聴きたくなる曲」というのがあると思う。押し入れに埋もれていても、唐突に聴きたくなる時期が訪れてCDを掘り起こしてしまうような。

僕の場合は、ジミヘンがそうだったりする(笑)。

で、今回が無性に聴きたくなった時期のようだ。

 jimi_a

ジミヘンといってもいろいろあるんだけれど、聴くモノは決まっている…それがウッドストックの時のライブ音源だったりする。彼の他のオリジナルアルバムとか、ライブ集とかは全く興味がなかったりする。

大学在学時に丸の内の名画座で見て、直後に映画のサントラCDも買って、後に発売されたジミヘンのウッドストックの演奏だけが収録された2枚組CD&ビデオも買って、何度となく聴いている。

ただ、不思議と聴きたくなる時期がある様子で、脳内がグッチャグッチャになりたいような心境の時に引っ張り出してくる感がある(笑)。いろんな意味で安定している状態の時は、ジミヘンには向かわないみたいだ。

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そんな感じで『Jimi Hendrix/Live in Woodstock』を引っ張り出してくる。不覚にもiTunesに入れてなかったので、慌ててすぐに放り込む。同時にビデオも引っ張り出してきて、おもむろにスイッチを入れ出す(←そろそろ、DVDも買わないとイカンなぁ)。

音を聞く部分も、映像を見る部分も、いつも決まってる。

演奏も終わりの方の、Voodoo Child〜Star Spangled Banner(アメリカ国歌)〜Purple Haze〜Woodstock Improvisation〜Villanova Junctionというアンコール前の部分を、リピートでひたすら聴く。

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いちおう音源&ビデオの紹介をしておくと、有名な音楽映画である「ウッドストック」、それのマスターテープか何かを掘り起こしてジミのパフォーマンスだけをピックアップしたモノだ。

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良く90年代辺りに掘り起こされたなぁとも思うし、貴重な映像だとも感じるのだが、映像に残った光景を振り返るにヒッピームーブメントの光と陰というか、頂点に辿り着いて下り坂を迎えようとしている矢先というか、そんな事を思い浮かべてしまう。

ここでのジミのパフォーマンスは、絶好調とは言えないものだろう。エクスペリエンスを一旦解消して、ジプシー・サン・アンド レインボーズ・バンド(←所謂バンド・オブ・ジプシーズ)を作るとステージ上で宣言しているが、即席に近い形でメンバーを集めたのか連携が上手く取れていない様子がうかがえる。曲も全体的に走り気味だし、安定感よりは焦りとか疲れとかも感じられるような出来映え。

オマケにウッドストックのトリを飾るべく出演したのであるが、前の出演者達が時間を気にせずにパフォーマンスしていた&運営側がルーズなお陰で、ジミ自体の登場は朝方になってから(驚)。ずっと待たされた苛立ちも表情からはうかがい知る事が出来る。半ば、投げやりにも見えたりもする。

会場はといえば、40万人が盛り上がっていたはずだったのに、ジミ登場時には10分の1に減っていて、観衆の後ろ側にはゴミが放置されている牧場の山肌がハッキリと見える。彼らの表情自体も疲れ切ったものが多く見られる。

本来だったら「暗闇の中でスポットライトを派手に浴び、祭りの終演を祝う」形でステージが進行されるはずだったのだろう。が、夜が明けてしまって現実に引き戻される趣きを感じさせながら大トリのジミを迎えてしまったという、全ての人間が不本意を感じている様な状況にも見える。

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この翌年にジミはオーバードーズが原因で鬼籍に入ってしまった。偶然なんだろうがウッドストックの終わった後の風景を重ね合わせると、世界中を巻き込んで盛り上がったヒッピームーブメントの幕引きを、ジミが行った風にも感じる事が出来る。

そんな意味も含め、本作は貴重な映像資料として永遠に語り継がれるだろう。

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上に書いた様に負の状態でのパフォーマンスを強いられるワケだが、ギターを持つとジミは人が変わるのか、後半に差しかかってくると段々ノリ始めてくる。それが最高潮に達するのが「Voodoo Child」から始まる一連の流れである。

アメリカ国歌(Star Spangled Banner)の演奏でギター一本でベトナム戦争を表現し、観衆をクギツケにする。そして、Purple Hazeに流れていき一種のカタルシス効果を生み出す。彼のギター一本で全体が手のひらに乗せられてしまうそのパフォーマンスは、現代でも比類するモノがなかなか見受けられない。

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決して僕はジミのファンではないけれど、ウッドストック自体も満足なパフォーマンスではなかったけれど、それでもこの時の彼には他のどの部分でも見られなかった神々しさがある。映像が無くても、音だけでそれを感じる事が出来る。

そこで、聴いている僕らはどう対応すればいいかというと、ただひたすら聴き続けるしかない。圧倒的な存在感に身を任してしまうべき。音楽を演じている者と聴いている者の「幸福な理想」が、間違いなく重なり合っているのがこの場面だ。

こういう流れに身を委せている最中は、頭の中で違う世界に行けるんだよなぁ。そんな音楽って、なかなか無い。

ただ、不思議な事に、70年前後の音源にこういう感じを抱くモノが多い感がある。という訳で、次の音楽関連のエントリーにこの話は続く事になる(笑)。

  

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コメント

http://streaming.yahoo.co.jp/content?k=micc1000210007&r2=%2Fprogram%3Fk%3Dmics10002

私の場合、カーペンターズやギルバート・オサリバンだったりするわけです。
「アローン・アゲイン」「クレア」なんかは、つい口ずさんでいたりして・・・。

このような趣味は、・・・ないでしょうね。(笑)

投稿: kiosk | 2006.03.27 00:20

kiosk様>

どうもどうも。
もうしばらくしたら映画のエントリー書こうかな。
DVDを借りる事ができたのは、
ヒトラー最期の12日間と電車男と大統領の理髪師。

>このような趣味は、・・・ないでしょうね。(笑)

ないねぇ(笑)。
そのあたりはよくお解りだと思いますが。
でも、kioskさんのヤツは「らしさ」を感じさせますなぁ。

投稿: kikka | 2006.03.27 01:15

>もうしばらくしたら映画のエントリー書こうかな。

是非!
「船を降りたら彼女の島」など・・・。
しつこいですなぁ。(笑)
彼女、最近色っぽくなっていましたね。

>DVDを借りる事ができたのは、
ヒトラー最期の12日間と電車男と大統領の理髪師。

「大統領の理髪師」はとてもよかったですね。
おかしなことに、何とも言えない懐かしさを感じました。韓国の風景と私たちの少年時代の日本の風景はよく似ています。
「親切なクムジャさん」がレンタル開始。これはすごい!イ・ヨンエが恐くて哀しい。傑作だと思います。
他の板では、韓国に対するアレルギーのある方が多いようですが・・・。(笑)

投稿: kiosk | 2006.03.27 06:07

kiosk様>

今から寝ようと思ってたら…
あーたのコメントを発見してしまった(笑)。

>彼女、最近色っぽくなっていましたね。

加えてレ○○○ン度も高くなっている気が(苦笑)。

>「大統領の理髪師」はとてもよかったですね。

まだRippingしただけで未見ですけど、
MovieTrailerを見た限りは非常に期待が持てるかと。

>イ・ヨンエが恐くて哀しい。傑作だと思います。

相変わらずだねぇ>イ・ヨンエ。
チャングムのDVDもTSUTAYAで貸し出されてたなぁ。
触れようとも思わなかったけれど(笑)。

>他の板では

いや、僕も多少はアレルギーはありますよ(笑)。
でも、映画は別かな。

電車男は中谷美紀が絶品だったね。
彼女もレ○○○ン風味が漂ってますが…(苦笑)。
ああいう美女に肩持たれてながら
「好きになっちゃいました」って言われたいなぁ…。

ヒトラーは非常に疲れそうな映画なので、
体調を調えてみないといけないかも(笑)。
あのプロパガンダ映画の「ベルリン陥落」での描写と、
どちらがキ印度合いが強いかは見ものかと。

…って、ジミヘンは、そして音楽はどこへ行ったの?

投稿: kikka | 2006.03.27 06:18

音楽はやはり,縁なものですからねえ。
ある時急に聞いて解るとかありますからねえ。
僕の場合ペットサウンドがそうでしたが、
ジミヘンは、むかーし聞いて(わかんね?)
と思ってからまともに聞いたこと無いですねえ、
縁があったら聞くでしょうね。
オサリバンはちゃんとしたりマスターが、
何で出ないのかが解んないんだよなあ。
出たら買いますよ。
ま、ベストで良いですけど。

投稿: 雄三 | 2006.03.27 10:40

最近知ったのですが、ウッドストックの時、ジミは自分で弾いてなくて、裏で別人が弾いていた、という説もあるそうですね。
真偽のほどは分かりませんが。

個人的にジミは、あんまり聴いてこなかったですね。
考えてみたらCD1枚も持ってないし。
その昔、モンタレー・ポップ・フェスか何かの映画(オーティス・レディングとカップリングのやつ)を見て、感銘を受けてそのレコードだけは買ったのですが。
興味ないこともないんですけどねえ...。

投稿: piouhgd | 2006.03.27 13:56

では、まとめてレス。

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雄三様>

写真にツッコミ入れると思ってたんだけどね(笑)。
確かに音楽って縁ですな。
個人のいろいろな状況にズバッとマッチしたモノ、
それが基準になってくるでしょうからねぇ。

>僕の場合ペットサウンドがそうでした

巻き込まれたのは私(笑)。

>ジミヘンは、むかーし聞いて(わかんね?)

僕の場合はウッドストックを見てからでしょうね。
それまで渋谷のラジオとかでも聴いていたけど、
それだけじゃ真剣に聴こうと思わなかった。
でも、あの時だけは
ダイレクトに五感に響いたんだよなぁ…。

あと、90年代前半にオンワード樫山のCMで
「風の中のマリー」を使用したのがあって、
それを見た直後にファーストアルバムを買いました。
ただ、こちらは完全に押し入れに埋もれてますが。

今流れているLevi'sのCMを見て、
ジミヘンに興味を持つ向きもいるのかなぁ?

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pio様>

>裏で別人が弾いていた

これは「都市伝説」の一種だと思っておきますよ(笑)。

>考えてみたらCD1枚も持ってないし。

好きかどうかは別にして、
1枚も持ってないとは思わなかった。
…というかモンタレー持ってんじゃん(笑)。

>興味ないこともないんですけどねえ...。

マイルスとか、あるいはフリップとか、
お互いに好きな人達からの評価が高いでしょ?
ジミのある部分をクローズアップすると、
両者との共通点が見いだせるんじゃないかなぁ。
例えばフリップがメタル・クリムゾンに走ったのって、
もしかするとジミの影響とかあったんじゃないかなぁ。
そんな事を思ってたりします。

投稿: kikka | 2006.03.28 05:08

昨日はメンテとやらで書き込めなかったので。

>…というかモンタレー持ってんじゃん(笑)

うん、そうなんだけど、レコードだし、片面オーティス・レディングってことで。(笑)

>フリップ

フリップってジミ好きなんですか?
あんまり繋げて考えたことなかったし、ブルースなんかの影響も受けてなさそうなので。
でも、影響うんぬんは別として、当時ジミのギターを聴いて凄いと思わないギタリストはほとんどいなかったでしょうから、不思議はないですよね。

投稿: piouhgd | 2006.03.29 09:12

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