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2006.01.16

Miroslav Vitous / Infinite Search

久々にアルバムレビューというか感想を書きます。

本日のお題はミロスラフ・ヴィトウスというチェコ出身のベーシストのリーダーアルバム『限りなき探求』(69年発表)

僕の知り合いが"いつものレコード屋"で購入して、その場で視聴したのを気に入って追随した形。ワーナーから発売されている"アトランティック・ジャズ1500"というシリーズの内の1枚で、シリーズ名の通りに1500円で購入できる。

  mirosrav

彼はジャズファンにはWeather Reportの初期メンバーとして名前が知られているのだが、全くその存在すら知らなかった(失礼!)。まぁ、ロックファンかつ一般的に有名なジャズアーティストしか知らん人間ですから、これは勘弁して。

だが、アルバム参加メンバーを見て「これは買わねば!」と思いたった次第(笑)。

【参加メンバー】
Miroslav Vitous(bass)
Joe Henderson(tenor sax)
John McLaughlin(guiter)
Herbie  Hancock(piano)
Jack DeJnohnette(drums)
Joe Chambers(drums←6曲目のみ)

マクラフリン、ハンコックの名前を見れば気付く方もいると思うが、所謂エレクトリックサウンド導入期のマイルス・デイヴィス、その重要サポートメンバーだった人達が参加している。そして、ヴィトウス自身はこのアルバムの後にウェイン・ショーターとジョー・ザヴィヌルとともにウェザー・リポートを結成する。

60年代後半から70年代にかけては、マイルスやショーターの周辺の活躍によってジャズという表現活動の枠が広がり、その流れから"エレクトリック・ジャズバンド"とか"フュージョン"という新たな流れが本格化する。

そして、その端境期に発表されたアルバムの一つが本作である。だから、ジャズ史においても、けっこう重要なアルバムなんでは無かろうかと想像できる。

ヴィトウスのプレイは、今でこそ珍しくもないだろうが速弾きの超絶テクニック…これをウッドベースでやってるんだからねぇ。彼の紡ぎ出す音は、当時としては斬新かつ画期的だったそうだ。

これにマクラフリンとかハンコックとかデジョネットといった腕に覚えのある連中のプレイが絡んでいくのだから、フリージャズっぽく混沌と、なおかつサウンドには深みが加わっていく様な感覚を持って聴く事ができる。

さすがに、マイルスの様にロックやファンクのリズムに乗せて…という事はないのだが、それでも音の洪水のような感覚を堪能できる。以前にエントリーした『マイルス・イン・ザ・スカイ』をもっと壊していくとこんな感じになるのかな…なんて想像したりして。そして、彼がこのアルバムによって注目され、ショーターとザヴィヌルに誘われてバンド結成に動いたというのが納得できる。

日本でフュージョンっていうと、一般はどうしても夏に聴くような軽いサウンドを指してしまう感がある。

でも、言葉を日本語直訳すると「溶け合って融合していく」事を指すし、それこそが本来あるべき姿ではないかと。そして、元々受けいられないモノが合わさった形になっていくワケだから、「もっと混沌としていても良いんじゃないか」というイメージが僕の中にはある。

それは「歪み」に見えるかもしれないけれど、提示していく中で「予想不可能な部分」は現れるだろうし、実はそれが一種の【シナジー効果】を生み出す可能性がある事が面白かったりする訳で。

そういう私的な理想論に合致するようなアルバムかな。非常に混沌としている中でも参加メンバー全てが同じ方向を見ている感が伝わってくるし、偶然の中でも「この音しかないだろう」という必然性も同時に見せられている感があり、非常に面白く聴ける。

『限りなき探求』というタイトルには嘘はないな、ウン。

 

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コメント

その後、ザビヌルはこの人のベースとしての役割を放棄したようなアプローチに苛立ちを覚えることのなった、というのを最近本で読みましたが。
でも、このアルバムは面白そうですね。
全然、知らんかったです。
今月は、もうリミッターかかっているので、来月にでも聴いてみたいと思います。

投稿: piouhgd | 2006.01.16 11:29

pio様>

>その後、ザビヌルはこの人のベースとしての役割を放棄したようなアプローチに苛立ちを覚えることのなった、というのを最近本で読みましたが。

ふーん。
悟りの境地でも開いたのかなぁ(笑)。
それこそ「無音の音」みたいな感覚とかね。

>でも、このアルバムは面白そうですね。

ここでのマクラフリン&ハンコックの貢献は大です。
資料を見ると、ヴィトウスって
元々ハービー・マンに見いだされたんだけれど、
そこで培った即興性の強いスタイルに
マイルス一派である両名が
違和感なく上手く絡んでる印象を持ちました。
仮にマイルスが飛び入りでやってきても
何の違和感も無く聞けそうな感が(笑)。

ルートや方法論は別でも、
同じ嗜好性(指向性)を持ってる事がうかがえて、
統一感を感じるアルバムですね。

投稿: kikka | 2006.01.16 13:11

遅まきながら、自分のところでも取り上げてみました。
トラックバック送ってみましたので、読んでいただけると嬉しゅうございます。

投稿: piouhgd | 2006.02.13 00:22

pio様>

もしかして、Amazonで買ってくれたのってpioさん?
自分の所があるのに、また何で(笑)。
この場を借りて、お礼させていただきます。

そっちにもコメント&トラバしました。
続きはそちらで…という事でひとつ(笑)。

投稿: kikka | 2006.02.13 02:51

>Amazonで買ってくれたの

ハハハ、その通りです。
だって、自分のところで買ってもカウントされないでしょう。

投稿: piouhgd | 2006.02.13 09:19

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