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2005.08.23

Super Size Me

この映画ってけっこう批判精神旺盛なドキュメンタリー映画のハズなんだけれど、コミカルなエンタテインメントと受け取っている向きも多いんだろうなぁ。

それこそダチョウ倶楽部とか出川哲朗みたいな、リアクションを楽しむ感じで接しているのかもしれない(苦笑)。

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米国の映像作家、モーガン・スパーロック監督の評判作『Super Size Me』を見た。

このページ右側の「ドキュメンタリーは嘘を付く」の森達也が文中で絶賛したのを見てから、ずっと気になっていた作品だった。
この度、DVDの発売&レンタルが開始されたので、早速拝見させてもらった次第。

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映画の中身をかいつまんで話そう。
2002年の感謝祭の日に、2人の10代の女の子が「肥満の責任はMcDonaldにある」と訴訟を起こし、それが全米中の大きな話題になった。モーガンがそのニュースをテレビで眺めていて、ふと「McDonaldを1ヶ月間食べ続けたらどうなるんだろう」と考えたそうな(笑)。
そして
朝・昼・晩の3食を全てMcDonaldのメニューで過ごすという無謀な食生活を始めたワケだ。

さて、彼はどうなるんだろうか(笑)。

詳細はDVDを見て下さい。DVDを見るのが待てない方は、ここを見れば途中経過が解ります。途中経過だけでもけっこう笑える。
本当はモーガンにとって苦行なハズだし、生命の危険にさらされているのだが、画面を見ていると「あり得ない」の一言で片づいてしまう可能性が大だからかもしれない(苦笑)。

人柱になっているモーガンはだんだん体調に変化を生じてきて、医者やカウンセラーなどに「死ぬぞ!」と警告を受けるまでになってしまう。パッと見であまりにも馬鹿馬鹿しい話なので画面を見て笑ってしまうのだが、実は彼の実践部分以外に注目しなければいけない事がある。

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アメリカでは、肥満撲滅が国家の課題の一つとなっているようだ。肥満が起こす糖尿病や肝機能障害を始めとした様々な健康被害を、アメリカの健康社会福祉省(日本で言う厚生労働省)も懸念している。肥満の拡大と共に直接保険料も5年間で倍に膨れあがっているとの事だ。そして、大人だけではなく、その傾向は若年層にも拡大しているのが現状だ。

だが、いろいろと検証していくと、肥満を増大させているのは実は国家事業が元だったりする。モーガンは「肥満の原因はアメリカが抱える自己矛盾が問題ではないか」という批判色を徐々に強めていく。

例えば、アメリカの学校ではお弁当ではなくカフェテリアで食事を済ますというケースが多いが、そこで提供されているのは所謂ファーストフード。手作りではなく、冷凍食品を「チン」したりスナックをそのまま購入するなど手軽に済まされていたりする。それは学生・生徒の為に用意するという事ではなく、どちらかと言えば「食事を作る」部分の労働力の削減から行われているといった印象がある。

一般的に見ても、時間的にも金銭的にも手軽でお腹一杯になれるファーストフードは、重宝するものかもしれない。
話は逸れるが、僕個人も前職時には毎週土曜日の昼食はMcDonaldでした。お店に張り付いていたので、食事の時間が短縮できるファーストフードは便利だったもの。

もちろん、ファーストフードメーカー側の「意識への刷り込み」も問題ではある。McDonaldに絞って書くと、例えば「郊外店舗には子供用の遊具を設置し、主婦層を取り込む」とか、「必ずスーパーサイズを薦める(日本で言う"ポテト、いかがですか?"と同じ様なものか)」とか、いろいろある。ドナルド君が子供に親しみやすいキャラクターというのもあって、幼少時からMcDonaldに親近感を持っているというのも大きいだろう。

そして、食品業界はアメリカの巨大産業の一つであるから、国家にとって大きな圧力にも成り得る。それだけに、問題解決になかなか政府が介入できないという事情もあるだろう。

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食の問題だから個人の注意で防ぐ事は出来るだろう。
しかし、意識の刷り込みや提供された環境は、進む場所を左右されるほどに大きな影響を及ぼす。モーガンはそこに警鐘を鳴らす。単に物好きで人柱になったわけではない。
それは映像をずっと眺めていれば解るはずだ。

僕はジャンクフード好きだから、この映像は結構こたえた。まぁ、アメリカ人の10分の1程も食してはいないにしてもねぇ(苦笑)。

最後に一つ。
問題提起の映像というのは非常にシリアスになってしまうものだが、なかなか軽快に映像は進行していく。
モーガンは元々MTVなどで流れるミュージック・ビデオの制作に携わっていたりしていた。その経験があってのモノなんだろうが、音楽の使い方とかそれに合わせた映像の使い方とかアニメの挿入のタイミングとか、普通のドキュメンタリー映画より非常に上手いという印象を持った。

<追記 8月23日 3:00AM>
上の「この映画」って書いたところにSuper Size Meの日本サイトにリンクを貼ってあるんだが、その中で映画にあやかった「寿司を30日間食する」という企画があり、その体験記が書かれている。

スーパーサイズ・ブログ

体験なさったイシコ氏は大変だっただろう。それこそ「マグロばっかり食ってる」アメリカ版ゴジラのようにろくなもんじゃなかっただろう(笑)

だけど、それじゃモーガンの主張がボヤけてしまうんですよ。映画会社も何考えてるんだか…コミカルな面だけ捉えるのは映画やDVDの販促にはいいけれど、物事の本質を見失う事に繋がらないか?
確かに読めばイシコ氏の体験談は面白いし、映画をアピールする事が重要なのも解る。
でも、申し訳ないけれどこの企画には辟易した。

その理由は、ここまで読んでくれた方ならお解りだろう。

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