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2005.06.29

21Grams

先に予告していたが、DVD『21Grams』を見た。

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来た…久々にズシーンと来た。

まず登場人物を書いておく
【クリスティーヌ(ナオミ・ワッツ)】
愛する家族を突然の交通事故で失い、絶望の淵に立たされる。ショックがあってアルコールや麻薬に溺れる生活を送る所まで追い込まれる。
【ジャック(ベニチオ・デル・トロ)】
元々は前科者。キリスト教の教えで真面目に改心したが、クリスティーヌの家族を事故で殺してしまい、その罪の意識に苛まれる。
【ポール(ショーン・ペン)】
心臓を患っていたが、クリスティーヌの亡くなった亭主の心臓を移植され日常生活に戻る。だが、死んだ他人の臓器移植によってまで生き長らえる事に、罪悪感を感じ続ける日々が続く。

上の3人が運命の糸に操られる様に交差していく。

この映画、三人の事故前と事故後の場面が、切り貼りするかのように時間軸が交差しながらランダムに映し出される。注意深く見ていないと筋が解らなくなる危険性がある。
だが、終わってみると、時系列順に物語を進めていくよりも、彼らの後悔や罪悪感などを映画終了時まで一貫して印象づけられる効果がある。彼らがどのようにして過ごしてきたか、そしてラストシーンまでに至るまでの心の"葛藤"や"振幅"が解りやすくなっている。ある一定の結末に向けていろんな関門を示していく、ロードムービー的な効果とでも言えばいいのだろうか。

3人の周囲は、振り返らずに前を進んでという願望を語る。しかし、災難にあったクリスティーヌ、罪の意識に苛まれるジャック、罪悪感を感じている上に「心臓の適合性」が怪しくなったポールは、それぞれが過去に対する落とし前を付けようと場所にとどまり続ける。
結末はネタバレになるから書かないでおくが、運命に引き寄せられた3人が、それまでと違った新たな交わりを行う事で、別の新しい流れを生み出そうとしている。

ここまでヘヴィーな話じゃなくても、やはり罪悪感や後悔の念などと葛藤するって事はある。現在の自分自身にもそんな所があると思っているし、それは人々全てが抱える話ではある。おおむね、孤独に闇に入り込んでいく形になっていくんだろう。
しかし、どこかで"赦し"を意識する事で、孤独感から解放されるのではないだろうか。新たな場面に遭遇するんじゃないだろうか。どのタイミングでその心境に達する事が出来るか解らないが、赦す事が出来ないと少なくとも前向きになる事なんてできないだろう。

果たして、今の自分にそれが出来るのか?
21グラムの重みが意味するところと合わせ、深く考えさせられた。

P・S
サントラは抑えが効いていてなかなかの出来。これだけでも十二分にグッと来る。一人で闇の中に入っている時に、癒しの効果もあるだろう。

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コメント

>>Kikkaさん
去年見た後に日誌に書いていたのでTBさせていただきましたが、
実は、全然大した感想は書いていませんでした(笑)
よく書く事なんですが、「罪」と「犯罪」の間には気の遠くなるような距離があるということ…こんなに感じた映画はひさしぶりでした。
「クロッシングガード」、「プレッジ」、「インディアンランナー」と、生きるという「罪」の追求は、ショーン・ペンのある意味ライフワークなのかもしれません。
それにしても、ナオミ・ワッツはフツーにきれいな女優なのに、何でああ「くすんだ」感じが似合うんでしょうか。「マルホランドドライヴ」はご覧になりました?

投稿: ピノ | 2005.06.30 11:06

ピノ様>

>全然大した感想は書いていませんでした(笑)

いえいえ、簡潔な文章でよく解りましたよ。

>「罪」と「犯罪」の間には気の遠くなるような距離があるということ…
>こんなに感じた映画はひさしぶりでした。

僕は「犯罪」という所ではなく(勿論、この場合は法的な意味)、
自らが抱える「罪」というものについて考えてました。
三人がそれぞれ抱える「罪悪感」ってヤツ、
そのお陰で自らの生を否定するかのように自暴自棄になってしまう。
感情的なモノなのでなかなか消える事はないだろうし。
でも、三人の接点の中のホンのキッカケが"赦し"に繋がり、
それぞれが生に対して前向きになっていくんですよね。
決してハッピーエンドではなかったけれど、
静かな、落ち着いた風景に移行した感覚は伝わってきました。

程度は違うし、そんなに大それたモノじゃ無いんだけれど、
自分自身とオーバーラップさせながら見ていました。
自分は赦し、赦される事ができるんだろうかと。

>生きるという「罪」の追求は、
>ショーン・ペンのある意味ライフワークなのかもしれません。

Deadman Walkingなんかもそれに含まれるかも知れません。
いま、内面にある"葛藤"を表現させたら、
この人の右に出るモノはいません…たぶん(自信なし)。

>ナオミ・ワッツはフツーにきれいな女優なのに、
>何でああ「くすんだ」感じが似合うんでしょうか。

裸体もキレイなのにねぇ(←バカ)。
確かにコメディタッチの作品には似つかわしくないですね。
何なんだろう…多分、自分の持ち味を解ってるんじゃないかと。
演技に潔さが感じられる時があります。
もしかすると、彼女も何かと葛藤しているのではないかと。

>「マルホランドドライヴ」はご覧になりました?

これ、まだなんですよ。
言われて少し気になってます。
ただ一度、あなたと同郷の方に
ネタバレ寸前まで話の筋を聞いてしまいましたが(笑)。

サントラも良さそうですよね。
昔見た"Paris.Texas"を思い出してしまいました。
ロードムービー調と書いたのは、
この雰囲気が"21Grams"にもあったからです。

投稿: kikka(Mac屋の店員) | 2005.06.30 13:20

週末は留守にしておりました。
「デッドマンウォーキング」もそうでしたね。
ショーンペンはこれからも一番気になる俳優であり、監督であり
続けるように思います。

>もしかすると、彼女も何かと葛藤しているのではないかと。
そうかも。彼女の外見が何かを「呼ぶ」んでしょう。
あと、ショーンペンの奥さんに雰囲気似てますね。
くすんだ感じが。胸ないし(笑)

>ネタバレ寸前まで話の筋を聞いてしまいましたが(笑)
すみません、福岡の人間が(笑)
でも「マルホ」の場合、ネタバレを聞いていたとしてもこの作品の魅力は
失われることはありません。
むしろ、色んなことに惑わされずに細部を見ることができて
いいかもしれません。麻薬のような「不安感」を煽る映画なんですが、
絵のようであり、詩のようであり…
しかも、ナオミワッツの素敵な微乳も披露されますので(笑)
お楽しみに。

>昔見た"Paris.Texas"を思い出してしまいました。
「さまよう魂」の映画という共通項があるかもしれませんね。
砂漠が広がっていて。
好きな映画です。
同じくライ・クーダーがサントラした「エンドオブバイオレンス」も
おすすめです。

投稿: ピノ | 2005.07.04 08:44

ピノ様>

>ショーンペンはこれからも一番気になる俳優であり、
>監督であり続けるように思います。

そうですね。
アメリカの場合は俳優も新陳代謝が激しいですが、
この人だけは時代が変わっても生き残るような気がします。

>彼女の外見が何かを「呼ぶ」んでしょう。

21Gramsは彼女の方が気合いが入っていたそうですね。
俳優(女優)がそこまで真剣になれる出演作を見つける事も
なかなかないでしょうに…。
よっぽど琴線に触れる何かがあったんじゃないかと。

>胸ないし(笑)

あれで胸がないんですか?>ナオミ。
僕の感覚がおかしいのかも知れない(笑)。
僕にとってはちょうどいいくらいかなと思いましたが(爆)。

>麻薬のような「不安感」を煽る映画なんですが、
>絵のようであり、詩のようであり…

その同郷の方も高評価されてましたね>マルホランドドライブ。
某氏に借りたDVDをある程度見終えたら、借りに行こうかな。

>ナオミワッツの素敵な微乳も披露されますので(笑)

だから、あれで微乳なの?
そりゃアメリカの方々からしたら微乳なのかも知れないけれど。
アメリカという国は「乳のインフレ」を起こしてますからね(笑)。
その感覚で見ちゃいけないのではないかと。

>>昔見た"Paris.Texas"を思い出してしまいました。
>「さまよう魂」の映画という共通項があるかもしれませんね。
>砂漠が広がっていて。
>好きな映画です。

どちらの場所もニューメキシコとか国境に近い位置ですよね。
彷徨うという意味ではこれ以上適している場所はないのでは。

投稿: kikka(Mac屋の店員) | 2005.07.04 19:52

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なんか、たまたま2時間ぐらい時間があって、何か映画でも見ようかと思ってテーブルの [続きを読む]

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忘備録、ということで、思いだすままに。 ■ 映画「21グラム」を見る。ナオミ・ワ [続きを読む]

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