« ダービー予想(妄想とも言う) | トップページ | 我、拗ね者として生涯を閉ず »

2005.05.30

ベルリン陥落

 さぁ、ダービーのショックを振り払おう(笑)。

 友人のすぴぞう氏に、これが面白いからと言われて一つのDVDを借りました。それが今回ご紹介する『ベルリン陥落』です。

IVCF-2018

 1949年にソヴィエト連邦で制作されたプロパガンダ映画で、恐怖政治を敷いたスターリンを神格化したという事で、彼の死後〜70年代前半までお蔵入りになっていたという映画。旧ソ連邦の国家的イベントとして戦争記録ものの映画が何本か作られたのだが、この『ベルリン陥落』はソ連邦から見た第二次大戦と、大戦後に共産主義を広げる意図がビンビンと感じる出来になっている。

 と、ここまでは真面目に書きましたが、ハッキリ書くと映画を見て大爆笑したんです。

 まず、主人公の労働者と恋人との恋愛も絡めたりするところは無難。それと戦闘シーンのスペクタクル感は圧倒的だ。特に後者はベルリンの街の空撮とかはどうやって特撮を使ったのかが解らない程にリアリティ度が高い。もしかすると、空爆シーンを撮るために街を一個破壊したのではなかろうかと言うくらいに出来が良い。もちろん、戦車とかは国家的イベントだけに本物を使用しているだろう。
 スターリンを始めとして、ヒトラーなどナチ党の幹部、チャーチル、ルーズヴェルトなどは本物のそっくりさんを配していて、やる気十分に見える。

 が、ソ連邦から見ると第三者である僕が見た場合、本来ならばスターリンと労働者が主役なのだろうが、ヒトラーの描写が余りにもキ印なので圧倒されてしまい、誰が主役か解らない錯覚に陥った(笑)。もう、余りにもクレイジーすぎて、今作のヒトラーの動きだけで一作の映画が撮れそうだもの。
 もう一つは、ソ連邦とドイツの開戦を表すシーンもけっこう可笑しい。主人公と恋人が麦畑を駆け回っている時に空を飛ぶ飛行機の編隊に手を振るが、実はドイツ軍の軍機で爆弾を落とされてしまうというシーンだった。間近で空爆が始まっているのに、まだ手を振るか? それと手を振るくらいに意識できるんだったら、最初から敵機だと認識できるだろうが。緊迫したシーンなのに、余りにもノホホンとしていて呆れてしまったというか何というか(笑×2)。
 最後はベルリン陥落後に空港にスターリンが降りて兵士達をねぎらうのだが、その際に世界各国の兵士達が「スターリン万歳」を高らかに宣言する。この辺りは共産主義圏を拡大しようと言うソ連邦の戦略が垣間見えるが、ベルリンにそれだけの国の兵士が集まっていたのか?(笑×3)

 ショスタコーヴィッチのサントラがなかなかの名曲と言って良いくらいの出来なので、却って画面が滑稽に見えてしまったというか(苦笑)。
 それでも、一見の価値はあるかもしれない。続く「ヨーロッパの解放」シリーズというのも見てみたいなぁ。

…すぴぞう君、買わない?(爆)

|

« ダービー予想(妄想とも言う) | トップページ | 我、拗ね者として生涯を閉ず »

コメント

突然ですみません。
わぁ、似た感想の人がいる、と驚いたので、トラックバックを送らせていただきました。
ベルリン爆撃のシーンは「まさか実写?」と何度も見なおしてしまいました。

投稿: 雪豹 | 2007.02.14 22:39

雪豹様>

>わぁ、似た感想の人がいる、と驚いた

この映画で共鳴していただける人がいた事に
素直に驚いたんですが(爆笑)。
そちらの感想も余りに「ウリ二つ」でしたので、
思わずトラバしてしまいましたよ(笑)。

>ベルリン爆撃のシーンは「まさか実写?」

当時のソ連だったら、いやスターリンだったら、
映画の為に「街一個」くらい破壊するのではないかと(爆)。
あれは下手なSFX映画を凌駕していますよね。
円谷でもあそこまでは無理というか。

あの特撮シーンと、登場人物のノホホンとした動き、
ヒトラーのキ印ぶりが、
全てパッケージされてるのは奇蹟ですよね(笑)。

投稿: kikka(管理人) | 2007.02.14 22:54

kikka様。トラバありがとうございます。

爆撃シーンをじーーーっと見て、戦車がミニカーっぽかったので、ある意味ほっとしたものです(笑)。
それにしても相当大きなミニチュア(変な言い方ですが…笑)に違いないですよね。
それだけお金を使っていながら公開しないなんて、なんて太っ腹なんだぁ、と変なところで感心してました。

あのヒトラーも、「ヒトラー~最期の12日間~」のエピソードとそんなに変わらない印象だったので、たぶん、歴史にかなり忠実に再現しているのでしょうが、どうしても笑ってしまう…。
やっぱり、一生懸命な演技は人の心を動かすものですね!(ただしこの映画の場合は間違った方向に、ですが。)

投稿: 雪豹 | 2007.02.15 01:02

はい。私が見せた張本人です。(苦笑
実は、ショスタコーヴィチが音楽を担当しているとのことで
それで興味本位で購入したのですが、
あまりにすごい映画だったので、kikka氏に見せたら、、
というのが事の起こりです。

私は、突然ドイツ軍の飛行機が飛んできて
ナターシャとアリョーシャの上に爆弾が降るシーンが
一番好きです。(いつも爆笑してしまいます)

愛のシーン(?)から戦争へ大転換ですね。。

投稿: すぴぞう | 2007.02.15 08:59

それぞれにレスします。
それにしても、なんで2年近く前のエントリーで
盛り上がってるのかと(苦笑)。

---------------------------------------

雪豹様>

>戦車がミニカーっぽかった

この辺は、もう一度見てみないとイカンですが、
僕が最初に見た感想ってのは、
プロパガンダにこれだけ金をつぎ込むって事が
どれだけバカバカしい事かと(笑)。

>なんて太っ腹なんだぁ

単純に時の権力者が変わっただけで
映画の扱いが変わってしまったわけですよね。
この金のツッコミ方が、
如何にスターリンが好き勝手やってたか、
逆に死去後に批判されまくったという事が、
同時に思い起こされますな。

>「ヒトラー~最期の12日間~」のエピソードとそんなに変わらない

もしかしたら、この「ベルリン陥落」を見て
感化されたんじゃないかと斜め見したんですが(笑)。
まぁ、それは冗談ですがね…。

>一生懸命な演技は人の心を動かすものですね!(ただしこの映画の場合は間違った方向に、ですが。)

Amazonのレビューに、
ネタなのか本気なのか解らない人がいるじゃないですか(笑)。
まぁ、確かにいろいろな意味で
人の心を動かす映画であることは間違いないですがね。

---------------------------------------

すぴぞう君>

>あまりにすごい映画

DVD買ってから、ずっと言ってたもんねぇ(笑)。
確かに、あそこまでバカさを見せてくれたら、
感心してしまうしかないのですが。
アストロ球団と似た感じがありますな。

>愛のシーン(?)から戦争へ大転換ですね。

感想は書いたとおりだけれど、
それにしても何度見てもマヌケだなぁと言うか(笑)。
個人的に好きなシーンは、
やっぱり迫力度満点のベルリンの空爆かなぁ。
これ以後の戦争映画の下敷きになったというのは
決して誇大表現じゃないなと感心したのでした、ハイ。

投稿: kikka(管理人) | 2007.02.15 18:26

すぴぞう様。

あのあたりで初めて
「あれ?ショスタコーヴィチ音楽担当だったの?」
って気づきました。

あの街の場所はいったいどこに設定されているのかサッパリわからないし、
どう好意的に見てもフォローのしようがない絶妙なおかしさがありますよね。

それに、このごろショスタコーヴィチってクラシック一暗い作曲家…等々と冗談半分に言われてるけど、
本当は愉快な人だったんじゃないか?と思えて仕方ありません。
この映画のせいでしょうか…。


kikka様。

>それにしても、なんで2年近く前のエントリーで

検索エンジンのおかげと、それだけインパクト強い映画だからでしょうか?
アマゾンなどの評もなるべく先に見ないようにしているんですが、見た後はみんなどんな感想なのかなぁ?
と気になって読んでしまいます。

それに、アマゾンで未見のDVDの評を読んでしまうと、ネタだろ?
と思っても欲しくなってしまうのが多くて危険です(笑)。

>もしかしたら、この「ベルリン陥落」を見て
>感化されたんじゃないかと斜め見したんですが(笑)。

後の映画に影響を与えたってここでしたか(笑)。
むしろ自分に影響がありそう(今後映像でヒトラーを見るたびに笑いがこみ上げてくるとか)で心配です。

投稿: 雪豹 | 2007.02.16 21:47

雪豹様>

自分の分だけレスしておきます。

>検索エンジンのおかげと、それだけインパクト強い映画だからでしょうか?

それよりもですね、
この映画を取り上げてるサイトが
圧倒的に少ないからではないかと(苦笑)。
当ブログってね、
たまに「ベルリン陥落」という検索ワードで
辿り着く人って、以前からいたんですよね。
コメントを書いた方は雪豹さんだけですが(笑)。

>アマゾンなどの評

僕が目を疑ったのはですね、
"これまで見た中で最も感動した映画"と
Amazonに書き込みがあったのを見た時です(笑)。
スターリンが批判されて半世紀以上経ち、
共産主義が風前の灯火になっているのに、
このコメントはないだろうと(苦笑)。

絶対にネタだと思うんだけれどなぁ…。

>後の映画に影響を与えたってここでしたか(笑)。

ヒトラーの描写に関しては、
あのキ印の描写ってナチス研究者的には
正統なモノにかなり近いらしいですね。
確かに手塚先生も『アドルフに告ぐ』で
終戦間近の彼を狂人っぽく描いてますし。

今作での描写は偶然なんでしょうけれど、
歴史的には間違ってなかったと。
一応、ソビエトも研究したんだねぇ(苦笑)。

投稿: kikka(管理人) | 2007.02.16 23:47

あわわ、トラックバック失敗してたんですね。
すみません。今度はできているはず。

>私がこれまで見た中で最も感動した映画です。

ぷぷっ。
いえ、皆さんにお勧めしたい、★★★★★
というのは、まったく同感なんですが、
「感動」の意味合いが普通の映画と違うので、
中には真っ正直に解釈して怒る人もいると思いますよ。
こういう所に書く場合、ネタならネタ、と書いて欲しいのが本音なんですが、
野暮ですかね(笑)。

同じ所に笑いのツボがある人がいると、
「ほーら、私は間違ってない。」
と自慢したくなります。

投稿: 雪豹 | 2007.02.18 12:20

雪豹様>

>あわわ、トラックバック失敗してたんですね。

まぁ、紹介エントリーも作ったし、
当方の義理は果たす事ができたかと。

>「感動」の意味合いが普通の映画と違うので、
>中には真っ正直に解釈して怒る人もいると思いますよ。

怒らないまでも、コメント自体が
初っぱなからネタと勘ぐられるのでは(苦笑)。

勝手に全文引用しますけれど、こんなコメント。

"私がこれまで見た中で最も感動した映画です。ソヴィエトの人々がナチス・ドイツの侵略者をいかに撃退したのかが余すところなく描かれており、本当に素晴らしかったです。どんな逆境に置かれても、勇気と希望をもつことが大切であることを教えられました。"

まず最初に思ったのが、
どう「縦読み」すればいいのかという(爆笑)。
どんな視点でコメントを解釈しようとしても、
これはネタ以外の何者でもないって結論しか
導き出されないんですがねぇ(苦笑)。

書いた人がマルキストだとかだったら
あり得る話なんでしょうけれどねぇ。

管理人的に言うと、あのバカ映画で
どう見れば「勇気と希望」を持てるのかと、
小一時間ぐらい問い詰めたい気持ちで一杯です(笑)。

>野暮ですかね(笑)。

微妙ですな(笑)。
ネタと解るような何かを混ぜてくれたらいいんですが。

>同じ所に笑いのツボがある人がいると、
>「ほーら、私は間違ってない。」
>と自慢したくなります。

たぶん、僕が思っている場合、
万人が同じ事を思うんじゃないかと考えてますよ。
だから、解りやすいという意味では
秀逸な映画なんじゃないかと思いますがね。

投稿: kikka | 2007.02.18 13:08

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100929/4334003

この記事へのトラックバック一覧です: ベルリン陥落:

» 映画「ベルリン陥落」 [ブログ草原系]
 スターリンを崇める映画。 …のはずだが、ヒトラーの方がよっぽどキャラが立ってる。  ヒトラー役の役者さん、記録映画をよく研究したんだろう、記録映像で見るヒトラーにものすごいそっくり。... [続きを読む]

受信: 2007.02.17 23:44

« ダービー予想(妄想とも言う) | トップページ | 我、拗ね者として生涯を閉ず »